岡本太郎が撮影した縄文土器や土偶たち。川崎市岡本太郎美術館で「岡本太郎と日本の伝統」展が開催へ

「岡本太郎と日本の伝統」展が、川崎市岡本太郎美術館で開催される。会期は4月27日〜6月30日。

岡本太郎撮影《土偶》 東大人類学教室 1956年3月23日

 岡本太郎による写真作品を紹介しながら「日本の伝統」を再考する展覧会「岡本太郎と日本の伝統」が、川崎市岡本太郎美術館で開催される。

 1951年11月に東京国立博物館で縄文土器と出会った岡本は、縄文土器が持つ4次元的な造形力に衝撃を覚え、その翌年に美術雑誌『みづゑ』(1952年2月号)で論考「四次元との対話-縄文土器論」を発表。これに端を発し、岡本はいわゆる「わび・さび」とは異なる、ほかの東アジア地域からの文化的影響を受容する以前の、本来の日本の文化や日本人の美意識について考察を深め、56年には著書『日本の伝統』として結実させた。

岡本太郎撮影《桂離宮》 1955年11月20日

 同書のために岡本は、縄文土器や土偶、京都の古刹の中世の庭本来のといった本来の日本の文化事象を、自らシャッターを切ってカメラに収めている。本展は、それらを新たにプリントした写真を中心に約190点を展示。「逆コース」と呼ばれる50年代の日本の文化状況の最中で『日本の伝統』が果たした役割と、岡本自身の作品に見られる変化を追う。

 また展覧会後半では、「伝統とは創造である」とした岡本の精神を受け継ぐ3名の美術家の小沢剛、鈴木伸吾、天明屋尚による作品もあわせて紹介される。

小沢剛 岡本三太郎「醤油画(尾形光琳)」 2007
(右隻)161.4✕198cm (左隻)161✕198cm
高橋コレクション蔵
天明屋尚 黒塗机器人形兜披図屏風 2016
アクリル絵具、木、金箔 150x300cm
撮影=宮島径 © TENMYOUYA Hisashi, Courtesy Mizuma Art Gallery

編集部

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