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天明屋尚

Hisashi Tenmyoya

 天明屋尚は1966年東京都生まれ。日本画と現代風俗を融合させた「ネオ日本画」を提唱し、日本の伝統絵画や美の系譜を背景に、現代に描かれるべき日本画を追求する。これまでの作品に、横幅3メートルに及ぶ大型の支持体に、武装した男たちと、彼らに取り囲まれる1人の男の姿が繊細かつ大胆に表現された《闘魂》(2008)、精巧な機械やロボットを思わせる乗り物とそれを操縦する人が描かれた代表シリーズ「Japanese Spirit」など。また、作家初の大規模なインスタレーション作品《韻》(2012)では、人々が接戦を繰り広げる1対の合戦図と、質素で静かな状態や事象を示す「わび・さび」「禅」の象徴でありながらも、それとは対極となる華美な赤色で彩られた枯山水を、対面するように配置し、鑑賞者は作品に潜む様々な矛盾を読み解くことができる。「わび・さび」「禅」の対極にある美の系譜「BASARA」を提唱し、制作のほかにキュレーションも行う。これまで参加した主な展覧会に「天明屋尚と暁斎展」(河鍋暁斎記念美術館、埼玉、2002年)、「アメリカン・エフェクト:アメリカについてのグローバル的視点 1990-2003」(ホイットニー美術館、ニューヨーク、2003)、「バイバイキティ!!!天国と地獄の狭間で -日本現代アートの今-」(ジャパン・ソサエティ、ニューヨーク、2011)など。