弓指寛治が描く戦争画。岡本太郎記念館で特別展示「太郎は戦場へ行った」が開催

東京・南青山の岡本太郎記念館で、特別展示「太郎は戦場へ行った」が開催される。本展では、昨年「第21回岡本太郎現代芸術賞敏子賞」を受賞した弓指寛治による「戦争画」を見ることができる。会期は2月6日~24日。

制作風景

 弓指寛治は1986年三重県出身の芸術家。自身の母親の自死をきっかけに「自殺」をテーマに、死者への視点を変容させる絵画を手がけている。

 2018年2月に「第21回岡本太郎現代芸術賞敏子賞」を受賞した弓指は、受賞作品《Oの慰霊》の続編として個展「四月の人魚」(ゲンロン カオス*ラウンジ五反田アトリエ、2018)を開催。同展では、80年代に社会現象になったアイドル・岡田有希子の自死をモチーフに、「慰霊」が持つ力を問いかけた。

 そして今回、東京・南青山の岡本太郎記念館で開催される特別展示「太郎は戦場へ行った」では、1942年から約4年半にわたって出征していた岡本太郎をテーマに描いた新作絵画を発表するという。同作は、戦争未体験の弓指自身と、戦地で生き延びた太郎を対照した、弓指なりの「戦争画」だ。

 弓指は、本展の展示に合わせて、同館所蔵の《眠る兵士》(1945)をディレクションして配置。同作は、太郎が終戦間際に戦地で描いたスケッチである。

弓指寛治 血と泥濘(一部) 2018

 さらに弓指は、3月から東京都墨田区のシープスタジオでも個展「ダイナマイト・トラベラー」を開催予定。同展では、エッセイスト・末井昭の母にあたる女性が、ダイナマイトで心中した事実を扱うという。​

弓指寛治 梅の花 2018

編集部

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