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小沢剛

Tsuyoshi Ozawa

撮影=林ユバ

 小沢剛は1965年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業後、同大学大学院美術研究科壁画専攻修了。貸画廊という日本独自のシステムへの疑問を発端に、牛乳箱を世界最小のホワイトキューブとして見立てた「なすび画廊」シリーズや、様々な野菜を使って銃器をつくり、それを構えた女性のポートレイトを撮影した後、それらを食べる「ベジタブル・ウェポン」シリーズ、あるいは医師・細菌学者の野口英世や、「戦争画家」として時代の流れに翻弄された画家・藤田嗣治をモデルに、史実とフィクションが入り交じる物語を絵画や映像で表す「帰って来た」シリーズなど、批判とユーモアを交えた作品を手がける。

 また、会田誠、大岩オスカールら昭和40年生まれのアーティストと結成した「昭和40年会」としてグループの活動も行う。主な個展に「小沢剛:あなたが誰かを好きなように、誰もが誰かを好き」(豊田市美術館、2012)、「帰ってきたDr.N」(はじまりの美術館、福島県、2014)、「小沢剛 不完全−パラレルな美術史」(千葉市美術館、2018)など。