《太陽の塔》リニューアル記念。
岡本太郎のパブリックアート
約170点を通覧する展覧会が開催

川崎市岡本太郎美術館が「街の中の岡本太郎 パブリックアートの世界」を開催する。本展は、日本万国博覧会テーマ館「太陽の塔」のリニューアルを記念し、岡本が生涯を通じて社会に打ち出したパブリック作品を紹介するもの。出品数はおよそ170点。会期は7月14日〜9月24日。

岡本太郎 若い太陽の塔 1969 愛知・犬山

 作品が個人の所有物になることを拒み続け、誰もがいつでも見ることができるパブリックスペースに作品を作り続けた岡本太郎。公園や学校などに創作した作品は、全国に70ヶ所、作品数は140点以上におよぶ。

 その態度からは「芸術のための芸術」ではなく、芸術は日常空間にあって「社会と芸術をつなげる不可欠な存在」であり、「人間の根源的な歓びと感動を呼び覚ます」という岡本の一貫した芸術理念がうかがえる。

 「街の中の岡本太郎 パブリックアートの世界」と題された本展は、日本万国博覧会テーマ館「太陽の塔」のリニューアルを記念し、岡本が生涯を通じて社会に打ち出したパブリック作品を紹介するもの。

岡本太郎 明日の神話 1968 東京・渋谷
岡本太郎 こどもの樹 1985 東京・渋谷

 会場には、モザイクタイルを使った初期作品をはじめ、大阪・千里の《太陽の塔》の原型や図面、写真、東京・渋谷駅の《明日の神話》の原画などを展示。そのほか油彩画、レリーフ、彫刻、モザイク画、ドローイング、図面、写真、映像を含む計170点もの作品資料がならぶ。

 場と迎合することを拒絶し、対立することでそれぞれの個性を生きるという岡本の作品に込めた思いと、社会に打ち出されたメッセージを体感してほしい。

編集部

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