千葉・市原湖畔美術館で、12組の女性作家による展覧会「更級日記考―女性たちの、想像の部屋」が開催される。
『更級日記』は、平安時代に菅原孝標女が京の都、そして源氏物語の世界への憧れから書き始めたと言われる日記。同書には、現実世界の暮らしに一喜一憂しながら物語世界への夢を抱き続けた、ひとりの女性の約40年がつづられている。
本展ではその『更級日記』に着想を得て、日記的表現をテーマに多種多様な女性たちの作品を紹介する。参加作家は碓井ゆい、UMMMI.、大矢真梨子、今日マチ子、荒神明香、鴻池朋子、五所純子、小林エリカ、髙田安規子・政子、光浦靖子、矢内原美邦、渡邉良重の12組。
荒神明香は、収拾した事故車のガラスの破片をシャンデリアに再生した作品《toi, toi, toi》を展示。鴻池朋子は、東日本大震災以降ライフワークとして継続するプロジェクト《物語るテーブルランナー》を発表する。またUMMMI.は、遠距離恋愛のカップルの日記的コミュニケーションを描く《ROSE CITY》の映像インスタレーションを展開する。
それに加え、漫才コンビ「オアシズ」の光浦靖子が手芸作品を発表するほか、洋菓子ブランド「AUDREY」のブランディングやアートディレクションで知られるデザイナー・渡邉良重が、大切に集めてきた身の回りの品々を用いた作品を展開する。
アート以外にも、デザインやマンガ、お笑い、ダンスなど様々な世界で活躍する作家たちが揃う本展。多様なメディアでつづられるそれぞれの「想像の部屋」を、そっと覗き込んでみたい。