東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリー、その2019年度展覧会ラインアップはもうチェックしただろうか?
19年度の幕開けを飾るのは、ブランドロゴやキャラクターといった現代社会のアイコンを用いたアイロニカルな彫刻作品で知られるニューヨーク在住のアーティスト、トム・サックスの個展「トム・サックス ティーセレモニー」展(4月20日〜6月23日)。本展では、独自のまなざしで日本の文化に深いリスペクトを向けるトム・サックスが、ティーセレモニー(茶会、茶道、茶の湯)に本格的に取り組むというもの。水屋、茶室、池なども配され、現代の日用品と「茶の湯」が出会う構成になるという。
続く「ジュリアン・オピー(タイトル未定)」展(7月10日〜9月23日)は、オピーにとって日本では2008年の水戸芸術館以来11年ぶりとなる美術館個展。点と線という最小限の視覚言語で構成された人物像やポートレート、風景などの作品で知られるオピーの作品がどのように展示室を埋めるのか。注目が集まる。
秋に開催されるのは、ニューヨーク在住のフランス人アーティスト、カミーユ・アンロの個展だ(10月16日〜12月15日)。映像や彫刻、ドローイング、インスタレーションなど様々なメディアを駆使するアンロ。作品は膨大なリサーチにもとづいたもので、その領域は文学、美術史、天文学、人類学、博物学、デジタル化された現代の情報学など多岐にわたる。第55回ヴェネチア・ビエンナーレ(2013)で銀獅子賞を受賞し、17年にはパリのパレ・ド・トーキョーを全館使用した大規模個展を行うなど、現代美術家として大きな注目を集めるアンロ。その活動を総合的に紹介する本展では、日本初公開の大型インスタレーションなどが展示される。
19年度の締めくくりとなるのは、具体美術協会の中心メンバーとして知られる画家・白髪一雄(1924〜2008)の個展(2020年1月11日〜3月22日)。1955年頃より、天井から吊したロープにぶら下がり、床に広げたキャンバスに足で滑走して描く作品の制作により、未知の領域を切り拓きいた白髪。東京で初の美術館個展となる本展は、現在、国内外で高い評価を得ている白髪の活動を検証するものとなる。
なお若手作家を個展形式で紹介する「project N」では、衣真一郎、末松由華利、山田七菜子、今井麗の4名が登場する。