白髪一雄の没後10年展が開催。
アクション・ペインティングの真骨頂
「水滸伝 豪傑シリーズ」20点が尼崎に集結

ダイナミックなアクション・ペインティングで知られ、「具体」を代表する作家のひとりである白髪一雄の展覧会「没後10年 白髪一雄 水滸伝 豪傑シリーズ ―アクション・ペインティングによる豪放の世界―」が、兵庫県の尼崎市総合文化センターで開催される。会期は11月10日〜12月16日。

白髪一雄 天暴星両頭蛇 1962 京都国立近代美術館蔵

 具体美術協会のメンバーであり、ロープにつかまり素足で滑走して描くアクション・ペインティングで知られる作家、白髪一雄(1924~2008)。その没後10年に合わせ、「白髪一雄記念室」を有する尼崎市総合文化センターで個展が開催される。

 本展では、白髪の「水滸伝 豪傑シリーズ」全108点のなかから、東京・京都・大阪の国立美術館をはじめ、国内の美術館所蔵作品を集めた20点を展示。『水滸伝』とは、中国・北宋の時代に起こった反乱を題材とする物語。108人の豪傑が腐敗した政府高官を相手に戦い、滅びていくというストーリーだ。

白髪一雄 地煞星鎮三山 1961 芦屋市立美術博物館蔵

 白髪は中国の古典文学や書に興味を抱き、制作にもその影響が見られるが、とくに少年時代から愛読していたのがこの『水滸伝』。「水滸伝 豪傑シリーズ」それぞれの作品には、豪傑108人の名がタイトルとして付けられている。

 同シリーズは、白髪が具体美術協会で活躍した1950年代後半~60年代前半に描かれた作品。渾身のエネルギーが画面にぶつけられ、白髪作品を代表するアクション・ペインティングの真骨頂と言える。

 また、尼崎市総合文化センター館内の白髪一雄記念室では、『水滸伝』をはじめ中国文化の影響がうかがえる作品を紹介する「中国への憧れ」展を同時開催中。同展の会期は2019年3月17日まで。

編集部

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