早世の写真家、レン・ハンによる日本未公開作品も。KEN NAKAHASHIの所属作家8名による展覧会「Soft Mirrors」がスタート

森栄喜、エリック・スワーズ、ヨーガン ・アクセルバル、松下まり子、大垣美穂子、レン・ハン、井原信次、海老原靖の8名による展覧会「Soft Mirrors」が、東京・新宿のKEN NAKAHASHIで開催されている。会期は2月2日まで。

松下まり子による新作 2018 キャンバスに油彩 65x50cm © Mariko Matsushita Courtesy of KEN NAKAHASHI

 東京・新宿のKEN NAKAHASHIで、同ギャラリーの所属作家8名による展覧会「Soft Mirrors」が開催されている。参加作家は、森栄喜、エリック・スワーズ、ヨーガン ・アクセルバル、松下まり子、大垣美穂子、レン・ハン、井原信次、海老原靖。各作家の新作を中心に構成される本展は、「物と物」「事と事」「人と人」との間を見極め、それぞれの持つ特異性や才能を明確にしつつ、一つの物語を築くことを試みるものだ。

 森栄喜は、2018年のフェスティバル/トーキョーで発表した朗読パフォーマンスの記録映像《A Poet: We See a Rainbow》《Family Regained- The Splash: We brush our teeth, and take a shower, put on pajamas and go out into the street》を上映。自然光に包まれる昼間は天井に、日が落ちてからは窓にかけられた薄い布に投影され、その表情が刻々と変化する様を楽しめる作品だ。

 松下まり子は、海外への旅や東京での日常を通じて、痛みや抵抗というこれまでの視点から人間一般の包摂的なものにテーマを変えて描いた新作絵画2点を発表。ヨーガン・アクセルバルは、展覧会タイトルの「Soft Mirrors」をテーマにした詩を、写真に添えて展示している。

 そして本展では、17年に29歳の若さで早世した写真家、レン・ハンの作品も見ることができる。出品作品は、同ギャラリーで約2年前に開催されたグループ展「LOIVE」で発表予定だったもの。同展の終了後、東京に到着したこの作品は結局展示されることなく、レン・ハンはその後間もなくして、この世を去った。

 加えて、明るく柔らかな画風から一変してダークトーンの色彩で描かれた海老原靖の新作絵画や、ドイツ拠点のエリック・スワーズによるミニマル・アート、「死」「老い」といった概念をダイナミックに表現する大垣美穂子、アートを通じて自己と他者の距離を近づけることを試みる井原信次の作品も展示されている。

井原信次 Bottom 2018 キャンバスに油彩  53.3x53.3cm © Shinji Ihara Courtesy of KEN NAKAHASHI

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