写真家・森栄喜は1976年石川県生まれ。2013年に、当時のパートナーとの日常を1年間にわたり撮影した写真集『intimacy』で第39回木村伊兵衛賞を受賞。また、同性婚をテーマにしたパフォーマンスと、その記録映像作品《Wedding Politics》などでも知られる。
本展では、今年秋にナナロク社より刊行される写真集『Family Regained』から厳選した作品を展示。このシリーズで森は、親しくしている友人、恋人同士、夫婦などの家族に自らも加わり、被写体の暮らす住居や庭先を舞台に、セルフタイマーを用いて撮影。その写真群を、血の色である真っ赤なフィルターを通して見せている。同時代のいくつもの家族と森の写真という媒介が共振し、多様な形態を持つ今日の家族像が立ち上がってくるような作品だ。
展示と同時期には、恵比寿のNADiff galleryと、フェスティバル/トーキョーの会場である池袋西口公園の2ヶ所で、この「Family Regained」シリーズから派生して制作されたパフォーマンスと記録映像作品の上映も行われる。