パリを拠点に活動するアンヌ=シャルロット・イヴェール、エンツォ・ミアーネス、アンヌ=シャルロット・フィネルの3名による展覧会「Reciprocal Reliance」が、SCAI THE BATHHOUSEで開催される。キュレーションを務めるのは、同じくパリ拠点のキュラトリアル・コレクティブ「Curate It Yourself」だ。
展覧会タイトルの「Reciprocal Reliance」は、「相互依存」という意味。3人の作家がひとつのインスタレーション空間を共有し、それぞれの作品が単独でありながら全体の一部として構成されるコラボレーションのプロセスを強調している。
アンヌ=シャルロット・イヴェールは、プレキシガラスと鉄の構造体によるインスタレーションを発表。吊り下げられたパーツと透過した構造体が展示空間に垂直線と水平線を規定する様子は、脱皮を繰り返す昆虫のようでもある。
リサーチをもとに詩的な作品を手がけてきたエンツォ・ミアーネスは、ギャラリー近くで採掘した土でガラスケースの中を満たした作品を展示。同作は、人間の身体がやがて有機物や無機物で置き換えられることを想定しながらつくられたという。
そして、各要素を結びつけるのがアンヌ=シャルロット・フィネルによる映像だ。色彩を修正した荒い粒子の質感は、見る人を記憶や夢のようなどことも知れない場所への深い瞑想へと誘っていく。
なお、会場ではフランス人DJでプロデューサーのVoiskiが本展のために制作したサウンドトラックも発表される。フランスの同時代作家やキュレーターの試みに触れる機会を、逃さずチェックしたい。