2018.12.2

テーマパークのように「染付」の歴史を巡る。「染付—世界に花咲く青のうつわ」展が出光美術館で開催

白地に描かれた青の文様が美しい焼き物「染付」。東京・丸の内の出光美術館で開催される展覧会「染付—世界に花咲く青のうつわ」展では、染付が愛用されてきた各国、各時代、各コミュニティをテーマパークのように巡ることができる。会期は2019年1月12日~3月24日。

青磁染付秋草文皿 日本 鍋島藩窯 江戸時代中期 出光美術館蔵
前へ
次へ

 「染付」は、14世紀に元時代の中国で完成した「青花」(=白地にコバルト絵具で絵付をする装飾技術)が、17世紀初頭の日本に伝わり浸透したもの。白地に花や鳥、風景、幾何学的なパターンなどの文様が描かれる「染付」は、その鮮麗な青の魅力に加えて、釉薬の下に文様があるため、絵具が剥がれにくく使いやすいという実用的な利点も兼ね備えている。

 美と機能性の両面に秀でた染付は、中国や朝鮮、日本、中近東、欧州などに広く展開。中国宮廷から日本の茶の湯、浮世絵に描かれた江戸時代の庶民まで、様々な社会の暮らしに浸透していった。そしていまなお、美術品としてだけでなく、日常的な暮らしにおける器としても日本中で親しまれている。

 そんな「染付」に焦点を当てた展覧会「染付—世界に花咲く青のうつわ」展が、東京・丸の内の出光美術館で開催される。染付が愛用された各国、各時代、各コミュニティをテーマパークのように巡ることができる本展で、染付の多面的な魅力を堪能したい。

マーブル装飾瓶 東地中海地域 1世紀 出光美術館蔵