2018.12.2

国内外から映像作家、ゲーム・デザイナーが集結。「ヴィデオ・ゲーム」の視点から現代社会を考える展覧会とは

現代の文化や社会に大きな影響を与えるようになった「ヴィデオ・ゲーム」。その創造性や芸術性に注目した展覧会「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」が、東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催される。会期は12月15日〜2019年3月10日。

山内祥太 ZONE EATER 2017
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 文化庁メディア芸術祭で顕彰の対象となるなど、現代の文化を語るに欠かせない要素のひとつであり、いまや社会に大きな影響力を持っている「ヴィデオ・ゲーム」。

 その創造性や芸術性に焦点を当てた展覧会「イン・ア・ゲームスケープ:ヴィデオ・ゲームの風景、リアリティ、物語、自我」が、東京・初台のNTTインターコミュニケーション・センター[ICC]で開催される。

 展覧会タイトルにもなっている「ゲームスケープ」は、ゲームの視点から見た風景や社会を意味する造語。ヴィデオ・ゲームがそれぞれのプレイヤー、製作者にもたらす新たな世界観を表現している。

 本展は、現代のヴィデオ・ゲームのあり方を紹介するとともに、それらが創り出してきた文化を、「インディ・ゲーム」および「ヴィデオ・ゲーム・アート」の2つの動向からとらえることを試みるもの。

 「インディ・ゲーム」は、個人もしくは小規模チームで制作されるヴィデオ・ゲームであり、その制作規模の小ささゆえ、主流であるヴィデオ・ゲームの概念を覆す新たな表現の場ともなりつつある。今日において、アニメーション映画やコンテンポラリー・アート、電子音楽など、ヴィデオ・ゲーム以外の様々なコンテクストを出自とする開発者の参入も活発化している分野である。

 かたや「ヴィデオ・ゲーム・アート」は、ゲームに馴染み親しんできたアーティストによるヴィデオ・ゲームにおけるインターフェイスや、ゲーム空間とその構造に着目することで、人々が日常的にプレイするゲームのもうひとつの意味を考察するなどのアプローチによって制作されたアートの総称だ。

 本展では、アニメーション作家のミヒャエル・フライとゲーム・デザイナーのマリオ・フォン・リッケンバッハによるユニット「プレイアブルズ(Playables)」によるミニマルなモノクローム作品や、和田淳が初めて制作したヴィデオ・ゲーム作品、山内祥太によるヘッド・マウント・ディスプレイを使用した体験型のVR作品などが並ぶ。​

ハルン・ファロッキ パラレルⅠ-Ⅳ 2012-14 Photo by Philip SERVENT    
和田淳 マイエクササイズ 2017–19