都市計画や原発事故といった同時代的問題に反応し、現代社会に全力で介入してきたアーティスト集団「Chim↑Pom」。
今回、新宿の歌舞伎町ブックセンタービルで2週間限定で開催される「にんげんレストラン」は、新宿の路上で行われたエリイのウェデイングデモ「Love is over」(2014)、旧歌舞伎町振興組合の取り壊しにともなって開催された個展「また明日も観てくれるかな?」(2016)に続く、歌舞伎町を舞台としたプロジェクトの第3弾。
「にんげんレストラン」という一風変わったタイトルは、本プロジェクトをChim↑Pomとともに主宰するSmappa! Groupが今年実際に開店した新店舗「人間レストラン」から採用されている。
「人間レストラン」は、今回の会場となる歌舞伎町ブックセンタービルの解体にともなってSmappa! Groupが新宿ソフトより借り受けた、ロボットレストランのネオンとともに食事や酒が楽しめるバーだ。
Chim↑Pomはこの一連の流れに着目し、「にんげんレストラン」を企画。歌舞伎町ブックセンタービルの最後のイベントとして開催される本プロジェクトでは、死刑囚が刑執行前の最後の食事を選べる通称「Last meal」のなかから、実際に提供されたメニューを体験することができる。
営業中は全3フロアで、contact GonzoやBLACKSMOKER(KILLER-BONG、山川冬樹、カイライバンチ)らによるパフォーマンスが行われるほか、常設の生体展示や複数回のワンナイトイベントなども楽しむことができる。Chim↑Pomによる様々な仕組みが盛り込まれた本プロジェクトは、「レストラン」の枠を超えて「フェス」の様相を呈すだろう。