川内理香子展が鎌倉画廊で開催。人間や動植物が纏う「かたち」を剥いだ先にある抽象美とは?

美術家・川内理香子の個展「human wears human / bloom wears bloom」が神奈川県の鎌倉画廊で開催される。本展では、人間や動植物に共通する抽象性を模索したドローイング、半立体作品、油彩 、樹脂の彫刻など計約40点を公開。モチーフに共通する起源へと遡る物語的アプローチに期待が高まる。会期は11月10日〜12月28日。

川内理香子 bloom 2018

 川内理香子は1990年生まれの美術家。2015年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、17年に同大学の大学院を修了した。

 「身体」という根源的なテーマから出発し、もっとも生々しい身体的行為のひとつである「食」「セックス」といった固定化できない様々なものとの相互関係や、コミュニケーションのなかで見え隠れする自己や他者の曖昧な関係性などを作品のモチーフとしてきた川内。

 第1回CAF賞 保坂健二朗賞(2014)、SHISEIDO ART EGG賞(2015)などの受賞経験を持つ気鋭であり、近年は東京での個展開催のほか、台湾のアートフェアにも参加するなど発表の場を広げている。

川内理香子 seventh people 2018

 今回、神奈川県の鎌倉画廊で開催される個展「human wears human / bloom wears bloom」は、展覧会タイトルの通り、人間や動植物が纏っている特徴を剥いだ先にある根源的なかたちを模索するもの。ドローイングを中心に、キャンバスに針金を留めつけて表現された人体のフォルムや文字をかたどった半立体作品、油彩 、樹脂の彫刻など、計約40点が展示される。

 動植物の様々なかたちや、内臓、果実、花といった具体的なモチーフのなかに見え隠れする抽象性を探り、それぞれ共通する起源へと遡るようなストーリーを展開するという本展。その作品世界は、「かたち」という観点のみならず表層の奥にある人間の内面性を探ることの重要さを、見る者に訴えるだろう。

川内理香子 bone 2018

編集部

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