トッド・ジェームスは1969年ニューヨーク生まれ。10代よりニューヨークのグラフィティーシーンを牽引し、当時のアンダーグラウンドカルチャーを象徴するアーティストとして、ビースティ・ボーイズ、イギー・ポップ、エミネムとコラボレーションするなど、若者を中心に影響を与えてきた。
子供の絵を思わせるイノセントな線と形態、カラフルにキャラクター化された様々な人物を特徴とするジェームスの絵画。繰り返し登場するタバコを吸う戦車、裸の女性と機関銃あるいは骸骨、擬人化された戦闘機、血のプールで遊ぶ水着の女といった画題は、社会の裏側へのアイロニーを強く含んでいるようにも感じうる。
これまでロンドン、イタリア、スペイン、中国など世界各地で個展を開き、つねに注目を集めてきたジェームス。今回、東京・渋谷のNANZUKAで開催される個展では、室内を描いた数々の新作絵画のほか、ライトボックス型の看板が連なる大掛かりなインスタレーション作品を見ることができる。