フランク・ゲーリーの建築で知られるパリのフォンダシオン ルイ•ヴィトン。ここでこの秋、注目のふたつの展覧会が同時開催される。
開催されるのは、エゴン・シーレとジャン=ミシェル・バスキアの個展。ともに28際でこの世を去った「夭折の天才」として、いまなお高い人気を誇るアーティストだ。
エゴン・シーレ(1890〜1918)は、1909年にウィーン美術アカデミーを離れ「Neukunstgruppe(ノイクンストグルッペ:新たなる芸術の集い)」を設立し、グスタフ・クリムトの手引きによって、ゴッホやムンク、トーロップの作品に出会った。11年以降、身体の歪みや内省、欲望と悲劇の表情に魅せられ、孤立しながらも自身の作品制作に没頭したシーレ。18年にスペイン風邪に倒れたものの、10年間で300点もの絵画と数百に及ぶドローイングを制作した。
本展は、シーレにとってパリで25年ぶりに開催される回顧展であり、裸体画や肖像画を中心に焦点を当て、シーレの代表作のひとつである《ほおずきの実のある自画像》などを展示する。
いっぽう、20世紀において最も著名な画家の一人であるジャン=ミシェル・バスキア(1960~88)は、フォンダシオンの4フロアを使って作品を紹介。アーティストとしてのキャリアを網羅する1980年から88年までの時期をカバーし、バスキアを特徴づける作品135点に焦点を当てながら、その画家人生を考察するという。
なお、本展では前澤友作が123億円で落札したことで世界中に知られる存在となった1982年作の《Untitled》も展示される。