1918年は、ウィーンにおいて画家のグスタフ・クリムトやエゴン・シーレ、建築家のオットー・ヴァーグナー、デザイナーのコロマン・モーザーといったウィーン世紀末美術を代表する芸術家たちが亡くなった年だ。
それから100年が経った今、ウィーン世紀末美術の展覧会「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」が、2019年に国立新美術館と国立国際美術館にて開催されることが発表された。ウィーン世紀末美術は日本においても人気が高く、豊田市美術館など国内でもクリムトやシーレをコレクションしている美術館があるが、まとめて見る機会は貴重だ。
本展は、モダンデザインへの萌芽とも言えるビーダーマイヤー時代の銀器や絵画をはじめ、世紀末芸術を代表するクリムトやシーレ、オットー・ヴァーグナー、アドルフ・ロース、ウィーン工房に至るまで、油彩画から家具、ジュエリー、ポスターなど約400点が集結。ウィーン世紀末の華麗な芸術世界と、その革新性を紹介する。
19世紀末のハプスブルク帝国が終焉に向かう頃、芸術においても新たな時代を求める動きが起こり、装飾性豊かな世紀末芸術が花開いたウィーン。その至極の作品たちの来日を楽しみに待ちたい。
なお、ウィーンでは今年、年間を通してウィーン世紀末美術に関わる展覧会が開催されている。
シーレのコレクション数が世界最大を誇り、日本人観光客も多いレオポルド美術館では「1900年前後のウィーン クリムト、モーザー、ゲルストル、ココシュカ」展(開催中〜6月10日)のほか、「エゴン・シーレ 記念回顧展」(開催中〜11月4日)、「グスタフ・クリムト展」(2018年6月22日~11月4日)などが目白押しだ。
また、ウィーン観光局のwebサイトでは、「ウィーン・モダニズム 2018」と題した特集ページも公開されているので、あわせてチェックしたい。