梅沢和木とTAKU OBATAによる展覧会「超えてゆく風景」が東京・外苑前のワタリウム美術館で開催される。両者はともに2000年以降に活動をスタートした気鋭の美術家だ。
梅沢の制作プロセスは、インターネット上の画像のコラージュを印刷した平面の上から、アクリル絵具などで加筆することによって、画面に複雑さを与えていくというもの。「画像」「現実」を自在に行き来する中で生み出されるカオスな「絵画」はつねに注目を集めてきた。
いっぽうのTAKU OBATAは、自らが「B-BOY」である経験を生かし、その身体表現技術や躍動を「木彫」というクラシックな手法によって表現する彫刻家。B-BOYの彫刻で構成される空間や、台座の無い木彫というスタイルで示される「人体」「衣服」の関係性は、ユニークでありながら緊張感と迫力にあふれる。
本展では、会期スタート後に梅沢による新作も追加されるという。現実空間とデータの中の世界を自由に行き来し、重力や伝統から解放されることによって展開される2名の作品。その作品空間に「超えてゆく風景」を見たい。