ワタリウム美術館コレクションを中心に見る、15名のアーティストの「理由なき反抗」

ワタリウム美術館でコレクションを中心とした「理由なき反抗展 I LOVE ART 14」が開催。15作家の作品から、自由への闘いの歴史としてのアートの歴史を提示する。会期は2018年4月7日〜7月29日。

アンディ・ウォーホル 理由なき反抗(ジェームズ・ディーン) 1985

 情報操作や無理のある理由付けなどの不条理から生じる、現代社会の不自由で不安な状況。ワタリウム美術館ではそんな状況に際し、「理由なき反抗展」を開催する。同展では、同館所蔵作品を中心に、15人の作家による約100点の作品を展示し、自由への闘いの歴史としてのアートの歴史を提示していく。

バックミンスター・フラー ポートフォリオ「一つを巡る十二の発明」より 1981

 会場は、「レジスタンス[抵抗]」「デザイン革命」「理由なき反抗」の3章構成で展開。それぞれのやり方で、慣習、体制、権力などに抗い、闘ったアーティストたちの姿を紹介する。

 「第1章 レジスタンス[抵抗]」では、天安門事件を機に中国からパリに移住したアーティスト、ホワン・ヨンピンの《避難はしご》をはじめとして、ヨンピンが「レジスタンス展」(1992、ワタリウム美術館)で「自身に必要なものを持っているアーティスト」として挙げたジョン・ケージやヨーゼフ・ボイスなど、社会のあり方を問うアーティストたちの作品が並ぶ。

ホワン・ヨンピン 避難はしご 1992

 続く「第2章 デザイン革命」では、1982年に東京で行われたバックミンスター・フラーの講演から「技術を正しく用いてデザイン革命を行うならば、人類は過去に類例のない高い文化水準を維持できる」という発言を引用し、マックス・ビルやアレクサンドル・ロトチェンコらの作品とともにデザイン分野で行われた変革を紹介する。

マックス・ビル 三つの立場をもつエンドレスリボン 1974-1975

「第3章 理由なき反抗」は、展覧会タイトル同様に、ジェームズ・ディーン主演のアメリカ映画「Rebel Without a Cause」の邦題を引用。アンディ・ウォーホルの同映画日本版広告ポスターを題材に制作したシルクスクリーン作品や、キース・ヘリングやギルバート&ジョージらの作品とともに、理性のバランスをとるための感性による闘争を提示する。

キース・ヘリング 無題 1983
竹川宣彰 ¡No Pasarán! 2013 撮影=岡野圭

編集部

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