1979年千葉県生まれの横内賢太郎は、2002年に武蔵野美術大学造形学部油絵科を卒業、07年に京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程油画領域を修了。光沢のあるサテンの布地に染料で描く独自の絵画作品で、08年にVOCA賞を受賞。14年に平成26年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてのインドネシア・ジョグジャカルタに滞在。16年のアートフェア東京内、ポーラ美術振興財団ブースでの新作個展を経て、現在もジョグジャカルタを拠点に制作を継続している。
近年、横内は「文化的接ぎ木」をキーワードに、オークションカタログや、南蛮図、聖人像といった異なる背景を持つイメージを組み合わせ、「絵画」という日本的な土壌に再接続する作品に取り組んでいる。
歴史的にも日本との関わりが深いインドネシアでの制作について、横内は「美術や文化や津波や戦争の痕跡に対して、個人の視点から関わり直す試み」だと語る。渡航以降、初のギャラリー個展となる本展では、絵画やドローイングのほか、新作の映像作品の展示も試みる。