横内賢太郎が試みる「文化的接ぎ木」とは? インドネシア滞在で生まれた新作を発表

サテンの布地に染料を用いて描く絵画作品で知られ、現在インドネシアで制作を行っている横内賢太郎が、ケンジタキギャラリー(東京)で個展を開催する。会期は3月29日〜4月28日。

映像作品(2018)からのスチル(参考画像) © Kentaro Yokouchi / Courtesy of Kenji Taki Gallery

 1979年千葉県生まれの横内賢太郎は、2002年に武蔵野美術大学造形学部油絵科を卒業、07年に京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程油画領域を修了。光沢のあるサテンの布地に染料で描く独自の絵画作品で、08年にVOCA賞を受賞。14年に平成26年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてのインドネシア・ジョグジャカルタに滞在。16年のアートフェア東京内、ポーラ美術振興財団ブースでの新作個展を経て、現在もジョグジャカルタを拠点に制作を継続している。

 近年、横内は「文化的接ぎ木」をキーワードに、オークションカタログや、南蛮図、聖人像といった異なる背景を持つイメージを組み合わせ、「絵画」という日本的な土壌に再接続する作品に取り組んでいる。

 歴史的にも日本との関わりが深いインドネシアでの制作について、横内は「美術や文化や津波や戦争の痕跡に対して、個人の視点から関わり直す試み」だと語る。渡航以降、初のギャラリー個展となる本展では、絵画やドローイングのほか、新作の映像作品の展示も試みる。

映像作品(2018)からのスチル(参考画像) © Kentaro Yokouchi / Courtesy of Kenji Taki Gallery

編集部

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