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【期待のアーティストに聞く! 】
小山友也
不調和を通して社会と未来に介入する

多彩な活動で人々や社会と関係してきた小山友也。11月19日までOpen Letterで個展「COUNTERWEIGHT」を開催中の作家に、作品について聞いた。

文=野路千晶

Photo by Eriko Kaji

 街や電車などで漏れ聞こえる音に合わせて自身が踊る《Dancing by myself》や、横たわり膝を抱える作家を、周囲の人々が移動させる、あるいは無関与のまま眺める《Passing through there》。そして、身体と言葉の重さをテーマに、ステッカーの特性を再考した参加型作品《六分の一で考える》や、Amazonの箱と歌うための《Singing Together》。小山友也は、多種多様な方法を通して社会や人々と関係してきた。「既定の枠組みを引き受けながらも、自分の振る舞いがそこにどうアプローチし、それを揺らすことができるかを考えています」と作家は話す。小山の作品には、太平洋戦争時のインパール作戦や難民問題を背景のひとつとした《Passing through there》をはじめ、社会の事象とひもづく作品も多数ある。「いずれの作品も、自分のなかに生まれた違和感が発端です」。

 そのいっぽうで、30年かけ映画を完成させるという名目のもと、予告編やグッズなどを発表する「SPACE OPERA」として活動、大学機関内のオルナタティブスペース「CSLAB」での企画・運営を行うなど、多彩な活動がパーツのように点在している。「それぞれがバラバラにあり、補完しあっている。自分の活動を通して、認識からこぼれおちてしまっていること、ないとされていること、未来に対して投げかけと実験をしていきたいです」。

 ギャラリー「Open Letter」(東京)にて11月19日まで開催中の個展「COUNTERWEIGHT」では、コミュニケーションにおける引力やバランスが主題の新作を展示している。「作品が次の思考へのきっかけになればいいし、自分と同じような問題意識を抱く人にとってのなんらかの起点になればとてもラッキー。いまは、そう思います」。

 (『美術手帖』2017年11月号「ART NAVI」より)

編集部

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