アートアーバニズムの未来を見据えて
最初にYAU STUDIOが設置された有楽町ビルが閉館し、移転した国際ビルもこの3月に閉館し、やがて取り壊されて再開発が行われる。YAUは2022年から3年間を通じて、街とそこに働くビジネスパーソンたちと関係を築いてきた。国際ビルのスタジオを閉じた後も、JR有楽町駅前にスペースを移転し、変わらず大丸有エリアとアートを通じた関係をさらに深めていく。コーディネーターで制作に携わる山本さくらは最後にこう話す。
「YAUはひとりのディレクターが全体をまとめあげるというより、コーディネーターやアーティストが集まり、話し合いながらプロジェクトを進めています。今後も話し合う姿勢は変わらないと思うのですが、移転先が現在のスタジオの3分の1ほどの面積になってしまうので、これまでのように誰もが気軽に集まれて、自由にスタジオ内に居場所をつくれる余裕はなくなってしまうかもしれません。しかし、地域の企業の方やワーカーの方々とのコミュニケーションを継続しながら、今度は拠点を持ちつつ、さらに外に出て行ってYAUの活動を広げるフェーズに入っていくと思います」。
これまでは大丸有エリアのワーカーたちがYAU STUDIOに集まり、それぞれにクリエイションを行うケースが多かったが、コンサルティング会社のPwC Japanグループと連携しながら、地域の企業にアウトリーチしてワークショップを行うプランなども進められているという。有楽町ビル、国際ビルというふたつのビルを拠点にYAUの活動の礎を築き、今度はその固めた足場から外に出て行きネットワークを広げることが可能となる。コアをもちながら大丸有エリアにウェブを張り巡らせていくようなアートアーバニズムの展開をこれからも追いかけていきたい。



















