YAUが掘り起こす街の創造力。「アートアーバニズム」の未来を見据えて【6/8ページ】

ユース世代が大人の心のリセットに協力

 「ゆ〜す相談室」と題するプロジェクトも、アーティストの菊池宏子がサポートしながら10代を中心にした若者たちによってその活動を続けている。コンセプトは、「誰かに話したいことありませんか? ゆ〜すが皆さんのお話聴きます!」。メンバーのひとりはこう話す。

 「普段、学生やユースと呼ばれる若い世代と関わることがない大人の方々も、私たちユースに何かを話すことで自分の過去を振り返り、童心に帰れると考えて始まったプロジェクトです。忙しなく仕事のことを考えたり、ひとつのことに集中したりしていると、どうしても疲れてしまうと思います。そんなときに私たちに話していただいたり、アートに触れていただいたりすると、心のリセットになるのではないかと思っています」。

ゆ〜す相談室

 YAU STUDIOで「ゆ〜す相談室」を実施することもあれば、不定期に近隣のオープンスペースに出張することもある。予約をしてマインドセットをつくって相談室を訪れるのとは異なり、例えばランチの合間に少し立ち寄り、今の些細な悩みをユースに話すことでリフレッシュが行われることになるのは、大丸有エリアにおいても確実に機能しているはずだ。

 「『ゆ〜す相談室』は大人の方に向けてのプロジェクトですが、ユースからユースに向けての音声メディアも最近立ち上げました。夜に考えごとをして眠れなくなったり、ひとりで不安を感じたりすることって誰でもあると思うんですが、そういうときに無音の部屋で過ごしていると、より深く考えてしまうことにつながってしまいますよね。音楽を聴いたりYouTubeを流したりして安心して眠れることがあると思うのですが、そういう一助になればいいと思い、私たちがあるテーマを考え、雑談のようなかたちで聞いていただける音声メディアの番組を立ち上げました。おだやかに聞いていただける、眠気を誘うようなトークテーマを考えていきたいです」。

編集部