1月
・2017年にZOZOTOWNを運営するZOZO代表取締役・前澤友作が約123億円で落札したジャン=ミッシェル・バスキアの《Untitled》。この作品が、1月26日からアメリカのブルックリン美術館の「One Basquiat」展で展示された。これは同作落札後、初の美術館展示となった。
>>前澤友作のバスキアが美術館で初展示。ブルックリン美術館で「One Basquiat」開催へ
・世界を代表する美術館、メトロポリタン美術館が入館料システムの変更を発表。それまでは、「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」というポリシーのもと、本人が希望する額を支払えば入館することができたが、新システムでは、これまで「推奨額」とされていた、大人25ドル、65歳以上17ドル、学生12ドルが、固定の入場料となった。入館者数は増加するいっぽう、「ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ」の推奨料金を満額で支払う来場者は、2004年の63%から17%まで落ち込んでおり、美術館の理想と現実のギャップが露わになったかたちだ。
>>メトロポリタン美術館が入館料を義務化。50年ぶりの改定に見る美術館運営の現実とは?
2月
・2016年3月に惜しまれながら閉館した神奈川県立近代美術館 鎌倉館。閉館と同時に神奈川県より八幡宮に譲渡された旧本館建物が、「鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム」としてオープンすることが発表された。「新たな交流と文化を育み、発信する」「鶴岡八幡宮、鎌倉についての理解を深める活動を行う」「参拝を深める空間を創出する」の3つを基本理念に掲げ、展示活動のほか文化イベント、セミナー・講座、こども向け活動等の普及活動、展示テーマ、資料等に関する調査研究、作品等の収集・保存を行っていくという。
>>神奈川県立近代美術館の旧鎌倉館、「鶴岡ミュージアム」として来春開館へ
・大林財団が新助成制度「都市のヴィジョン」をスタート。第1回目の助成対象アーティストとして、会田誠が個展「Ground No Plan」を東京・北青山の青山クリスタルビルB1F、B2Fで開催した。地下2フロアを大胆に使った展示では、タワーマンション、高層ビルを中心とした都市開発に対するアンチテーゼとしての《セカンド・フロアリズム》を中心に、多数の作品を展開し大きな話題を集めた。
>>いまアーティストに何ができるのか。毛利嘉孝が見た会田誠展「Ground No Plan」
・60年間にわたって行方がわからなかったクロード・モネの大作《睡蓮ー柳の反映》がパリのルーヴル美術館で発見、国立西洋美術館での修復を経て、展示されることが発表された。《睡蓮ー柳の反映》は、モネが1916年に制作した油彩画で、縦199.3×横424.4センチという大作。同作は松方コレクションの一部で、損傷が激しいため今後修復され、2019年に展示される予定となっている。
>>モネ幻の作品が60年ぶりに発見。 松方コレクションとして国立西洋美術館で修復、展示へ
3月
・美術、音楽、演劇映画など芸術11部門において優れた業績を挙げた人物に対して贈られる平成29年度(第68回)の芸術選奨文部科学大臣賞19名と同新人賞11名の受賞者を発表。美術関係ではアーティストの杉戸洋、西野達が「美術」部門大臣賞に、岩崎貴宏が同新人賞に選出、「評論等」では美術批評家の椹木野衣、美術史家の五十殿(おむか)利治が大臣賞に選ばれた。
>>平成29年度の芸術選奨文部科学大臣賞が決定。受賞者に杉戸洋、西野達、椹木野衣ら
・DIC川村記念美術館が売却した日本画作品約20点のうち、橋本関雪による3作品の収蔵を京都の白沙村荘 橋本関雪記念館が公表。収蔵されたのは、《琵琶行》(1910、第4回文展褒状)、《木蘭》(1918、第12回文展特選)、《秋桜老猿》(1938)。
>>DIC旧蔵の橋本関雪作品、 京都の白沙村荘 橋本関雪記念館が 収蔵・展示へ
・ファッションブランド「Off-White」のクリエイティブ・ディレクター、そしていまやルイ・ヴィトンのメンズ・アーティスティック・ディレクターとしても世界的に注目を集めるヴァージル・アブローが、村上隆主宰のKaikai Kiki Galleryで世界初となる個展「"PAY PER VIEW"」開催した。同展では巨大な立体作品《“dollar a gallon”》をはじめ、ペインティングやヴァージルがデザインした家具なども展示された。
>>ヴァージル・アブローが語る自身の「DNA」。世界初個展「"PAY PER VIEW"」で見せるものとは?