EXHIBITIONS

竹村 京 うごくせかい

参考図版 撮影:木暮伸也

 茨城県水戸市の水戸芸術館現代美術ギャラリーで「竹村 京 うごくせかい」が開催される。会期は7月25日〜10月12日。

 竹村京は1975年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画)修了後、ベルリン芸術大学で学ぶ。2015年、群馬県高崎市に移り、現在も同地を拠点に国内外で作品を発表している。

 竹村は、時間の流れや人・物の移動、天変地異、偶然の出来事などによって揺らぐ世界のなかで、「縫う」という行為によって対象に新たな光を与える作品を制作してきた。個人の記憶や出来事を作品のなかに「仮留め」し、一つひとつの存在を現在から未来へとつなぐことに取り組む。

 初期作品《A.N.のリビングルーム、地震の予感》(2005)では、友人の生活を等身大で写し取り、その一部を縫い留めることで、地震にも負けない保管のかたちを模索。このほか、写真やドローイングに布をかさねて刺繍する平面作品、壊れた日用品を布で包み、失われた部分に沿って独自の「修復」を行う立体作品、緻密な運針のなかに時間の流れや世界との交感を表した《Time counter》などを制作している。

 本展では、2000年代の代表作を起点に、「修復」を施した作品群や、「天災」と「修復」を主題とした新作インスタレーションを紹介。また、水戸の街なかでは、参加者が「修復」の意味を考え、実践するワークショップを開催する。竹村の多様な創作を通して、記憶と喪失、時間や行為における不可逆性といったテーマを取り上げる。