EXHIBITIONS

リー・ベー「THE IN-BETWEEN」

2025.11.05 - 12.27

Lee Bae Brushstroke S6 2025 bronze 106 × 62 × 56 cm Courtesy of the artist and Perrotin

 ペロタン東京で、リー・ベーによる個展「THE IN-BETWEEN」が開催される。

 リー・ベーは1956年韓国・チョンド生まれ。パリとソウルを拠点に活動し、木炭やカーボンブラックを用いたドローイング、絵画、彫刻、インスタレーションなど、多様な領域で制作を行ってきた。初期には未加工の木炭を素材に作品を構成し、現在はカーボンブラックや木炭インクを用いた筆致の記録へと表現を広げている。

 本展では、筆の運びをもとにブロンズで制作された彫刻作品シリーズ「Brushstrokes」を展示。床に置かれた作品、壁に設置された作品、天井から吊るされた作品などがあり、それぞれが多方向に伸びる線的構造を形成している。形状は複数の要素が撚り合わさったような質感をもち、空間の中で立体的な存在感を示す。

 また、別の展示室では、韓国の稲田で撮影された映像作品を上映。リー・ベー本人が代掻きの動作を行う様子を記録した映像であり、泥土の上を歩き、水面を掃く一連の動作が収められている。箒を使った作業や身体の動きが、撮影地の風景とともに映し出される。

 本展タイトル「THE IN-BETWEEN」は、リーがこれまで行ってきた展示と連続するものであり、異なる場所での制作活動における移動の経験と関連している。ソウルとパリという二拠点を行き来しながら制作を続ける作家の活動環境が背景となっている。東京会場では、白い展示空間の中で黒い立体作品が配置され、観者が作品の形態や配置を通して空間を体験する場が構成されている。