EXHIBITIONS

2024年度申請展

Dessine-Moi Un Mouton ~羊の絵を描いてよ~ 宇宙用の絵画たち

 京都市立芸術大学ギャラリーで「Dessine-Moi Un Mouton ~羊の絵を描いてよ~ 宇宙用の絵画たち」が開催されている。出展作家は、関口正浩、和田真由子。

 以下、和田による展覧会ステートメントとなる。

「絵画とは見る人の内で浮くものですが、本来あるべき姿での鑑賞が達成されることは少ないように見受けられます。反って、支持体を甘受または愛好し、壁に依りかかることを善しとする姿勢までもが常態化しています。イリュージョンを共有する装置としては未だ演劇を追い抜けませんが、『描く+絵具』という身体と物質を視覚上で統合し、イメージを浮かしめる絵画の本質的有様が実現されないのは不本意のきわみです。

 かつて、非物質化されたものがもっとも大切であると説いた者がいましたが、きわめて的確な先行した絵画論であったと言えます。『Lʼessentiel est invisible pour les yeux.(本当に大切なものは目に見えない)」(*)。本展覧会では、非物質のレイヤーが絵画を支えていることを指摘する関口、浮いた状態で完成することを見越した作品をつくり続ける和田の2作家に着目し、美術における宇宙時代の遅すぎた到来を寿ぎ、未来へ向けた議論の場を生成します」(展覧会ウェブサイトより)。

*──"Le Petit Prance" Antoine de Saint-Exupéry, folio 15 mars 2007