EXHIBITIONS
IAMAS ARTIST FILE #10 繭/COCOON:技術から思考するエコロジー
岐阜県美術館で「IAMAS ARTIST FILE #10 繭/COCOON:技術から思考するエコロジー」が開催されている。
イタリア出身の哲学者E. コッチャによれば「繭」とは「生まれたあとの卵」。テクノロジーについての近代的な考えを反転させるこの思想は、新しい技術哲学を紡ぐ。本展では、クワクボリョウタ、J.L.ボワシエらによる豊かな芸術表現を通じて、エコロジー問題にアプローチする。
柔らかな繭玉のなかで、幼虫はその解剖学的形態を脱ぎ捨て、飛翔する蝶の生として生まれ直す。イタリア出身の哲学者・E.コッチャは『メタモルフォーゼの哲学』の「技術についての新たな考え」において、「繭」は個体によって製造された、生まれたあとの卵であり、「メタモルフォーゼ」は純粋に技術的であると説く。
「繭」は、技術についての私たちの理解を覆す。私たちは技術を、人間の都合のいい世界をつくるための便利な道具、あるいは身体の延長であると考えることに慣れている。いっぽう「繭」は、自らを内部で変化させると同時にそれを取り巻く世界をつくり変える。技術が人間だけのものでないと気がつけば、私たちは世界に対してより深く共感できるだろう。
このような考えは、喫緊の課題である今日のエコロジー問題を乗り越えるための新たな視座を与えてくれるかもしれない。芸術もまた生きることとともにある「技術」であるとして、本展では多様なアプローチを通じて、その可能性を模索する。
出展作家は、ジャン=ルイ・ボワシエ、クワクボリョウタ、西脇直毅、florian gadenne + miki okubo、石橋友也。
イタリア出身の哲学者E. コッチャによれば「繭」とは「生まれたあとの卵」。テクノロジーについての近代的な考えを反転させるこの思想は、新しい技術哲学を紡ぐ。本展では、クワクボリョウタ、J.L.ボワシエらによる豊かな芸術表現を通じて、エコロジー問題にアプローチする。
柔らかな繭玉のなかで、幼虫はその解剖学的形態を脱ぎ捨て、飛翔する蝶の生として生まれ直す。イタリア出身の哲学者・E.コッチャは『メタモルフォーゼの哲学』の「技術についての新たな考え」において、「繭」は個体によって製造された、生まれたあとの卵であり、「メタモルフォーゼ」は純粋に技術的であると説く。
「繭」は、技術についての私たちの理解を覆す。私たちは技術を、人間の都合のいい世界をつくるための便利な道具、あるいは身体の延長であると考えることに慣れている。いっぽう「繭」は、自らを内部で変化させると同時にそれを取り巻く世界をつくり変える。技術が人間だけのものでないと気がつけば、私たちは世界に対してより深く共感できるだろう。
このような考えは、喫緊の課題である今日のエコロジー問題を乗り越えるための新たな視座を与えてくれるかもしれない。芸術もまた生きることとともにある「技術」であるとして、本展では多様なアプローチを通じて、その可能性を模索する。
出展作家は、ジャン=ルイ・ボワシエ、クワクボリョウタ、西脇直毅、florian gadenne + miki okubo、石橋友也。