マン・レイ「LE TEMOIN」

　Shop rin art associationで、マン・レイの個展「LE TEMOIN」が開催されている。

　本展では、マン・レイ自身によるプリント作品、Simon Internationalにより制作されたオブジェ、マン・レイの没後にディノ・ガヴィーナがマン・レイのオマージュとして制作したプロダクトが展示されている。

　マン・レイ（1890～1976）はアメリカ生まれ。その表現活動は写真家、画家、彫刻家、映画監督と多岐にわたる。マルセル・デュシャンとともにニューヨーク・ダダを牽引し、フランスにわたりヨーロッパのダダイズム運動に同調、その後はシュルレアリストとしても活躍した作家として知られている。

　写真作品では、『VOGUE』などを飾ったファッション写真と評されるものから、レイヨグラフやソラリゼーションなどの発明による技術を用いた実験的な抽象写真を発表。代表作の《Larmes（Tears）》ではマネキンとガラス玉を虚像として用いてコンセプチュアルな真実の問いかけを行った。また、1921年に制作された彫刻作品《贈り物》にはアイロンに14個の鋲が1列に取り付けてあり、抑圧されることに対しての痛みとも取れる表現がなされている。

　本展は、Simon Internationalにより制作された目のオブジェである《LE TEMOIN》を中心に構成されている。