EXHIBITIONS

Neo Punk!

Shop rin art association
2025.01.09 - 06.22
 Shop rin art associationで「Neo Punk!」が開催されている。

 ヴィヴィアン・ウエストウッドは、2018年に発表された自身の自伝映画のなかで、1970年代にマルコム・マクラーレンやセックス・ピストルズと起こしたパンクムーブメントは、体制を攻撃するどころか若者たちが日頃の鬱憤を晴らすために暴力的な行為に走っただけで、失敗だったと語っている。そのことからウエストウッドは体制に対して有効に立ち向かえる表層的でない精神のパンクを構築したかったのだという。

 現代の哲学者である千葉雅也は、自身の著書『現代思想入門』で「秩序からの逸脱をクリエィティブとしてとらえろ」と語っている。「逸脱」という言葉に抵抗があるのであれば、「見直す」と置き換えることもできる。現代思想は「秩序の脱構築」「概念の脱構築」を経て「自己の脱構築」を行うことで形成されると説かれている。

 それであれば自身のスタッズを外だけでなく、内にも向けて、「正しさ」の在り方を見直していくべきか。本展では、真実への問いかけを目的として、70代のパンクムーブメントでは稀有な表現であったフェミニズム、ウィークネス、サッドネスなどの要素を明確に取り入れる。

 同時開催のマン・レイ、村田峰紀の展覧会とあわせて、本質的な自身と世界の在り方を考察する。