ミッコ・クオリンキ「o o」

　CAGE GALLERYで、ヘルシンキを拠点に活動する現代美術家・Mikko Kuorinki（ミッコ・クオリンキ）による個展「o o」が開催されている。

　クオリンキは、トゥルク美術アカデミーで写真を学び、ヘルシンキ芸術デザイン大学でファインアートを専攻、現在はヘルシンキを拠点に写真、テキスト、彫刻などを組みあわせたインスタレーション、パフォーマンスを通して、謎に満ちた固有の世界をつくり出すアーティストだ。展示を行ういっぽうでイベントや出版物の制作にも取り組むクオリンキの活動には、ある種のドキュメンタリズムがあり、身の回りにある物事をつぶさにみつめ、留めようとするまなざしが垣間見える。

　本展は、同時期ヘルシンキで開催されるクオリンキの個展「O O」（Hippolyte, Helsinki）との関連のなかで計画された。アーティストのステイトメントには、oの形象と意味が、独立しながらも関係しあう思考が示されている。CAGE GALLERYの2つの窓と2つのo、それらの連環によって生まれるひとときの出来事は、アーティストの「もの」への眼差しから発せられる、あるひとつの世界の記録となっている。