EXHIBITIONS

企画展

没後50年 映画監督 田坂具隆

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 国立映画アーカイブ 展示室 7Fで、企画展「没後50年 映画監督 田坂具隆」が開催されている。

 日本映画の豊かな歴史に刻まれる監督、田坂具隆(たさか・ともたか、1902〜1974)。1926年に『かぼちゃ騒動記』でデビューした田坂は、やがて『真実一路』(1937)、『路傍の石』(1938)といった文芸作品でヒューマニズムに溢れる作風を確立。内田吐夢とともに日活多摩川撮影所の全盛期を築いた。また、『五人の斥候兵』(1938)からは迫真性と人間味に満ちた戦争映画のつくり手としても名を轟かせる。

 1945年8月、田坂は広島で被爆し数年の闘病を余儀なくされるが、再起後は数々の撮影所で石原裕次郎・中村錦之助・佐久間良子らスターの育成に力を注ぎつつ、『女中ッ子』(1955)、『陽のあたる坂道』(1958)、『ちいさこべ』(1962)、『五番町夕霧樓』(1963)など幾多の名作を残した。

 没後半世紀となる本年、同館は田坂をめぐる書籍の刊行に連動して、関係者より提供された貴重な資料を公開する初の回顧展を行うとともに、監督作の特集上映も開催。人間の「善」を誠実に信じた田坂を通じて、映画とその向こう側にある人間の生を見つめ直す機会となる。