EXHIBITIONS

伊佐治雄悟「純粋在宅ストリートアート」

2024.08.24 - 09.14

cutter 2024 box-cutter blades(stainless steel, welded) 225 × 140 × 140 mm
© Isaji Yugo, courtesy KANA KAWANISHI GALLERY

 KANA KAWANISHI GALLERY で、伊佐治雄悟による個展「純粋在宅ストリートアート」が開催されている。

 伊佐治雄悟は1985年岐阜県生まれ。日用品をベースに、視点をずらし手を加えることで鮮やかに既視感から逸脱した作品の数々を制作するアーティストだ。伊佐治はこれまでフィリピン、台湾、マレーシアなどアジア諸国や、ポーラ美術振興財団在外研修員としてスウェーデンに派遣されるなど海外での発表を数多く行ってきた。本展はスウェーデンでの在外研修を終えてから初となる国内コマーシャルギャラリーでの個展となる。

 ミュンスター彫刻プロジェクトを訪れた際に「街中を彷徨っているうちに、すべてのものが彫刻に見えてきた」と語る伊佐治は、この現象を「彫刻酔い」と呼び、制作の起点になっていると言う。そのような視点を日常に持ち込むことで、カッターの刃や、プラスチックボトル、ボールペーンなど、あらゆる身の回りの既製品の素材やその構造を利用して、既知の存在から軽やかに逸脱させた彫刻をつくり出してきた。

 ミュンスターでの体験を起点に日常を揺るがす作品を自宅のスタジオで生み出しつづける伊佐治。帰国後初の国内コマーシャルギャラリーでの個展となる本展に足を運んでみてほしい。