EXHIBITIONS

みんぱく創設50周年記念特別展

吟遊詩人の世界

2024.09.19 - 12.10

エチオピアの吟遊詩人アズマリ

 国立民族学博物館で、みんぱく創設50周年記念特別展「吟遊詩人の世界」が開催される。

 各地を広範に移動し、詩歌を歌い語る「吟遊詩人」は古くから存在する。吟遊詩人というと、中世ヨーロッパにおいて存在した宮廷楽師や大道芸人を指すことが多いが、アジアやアフリカにおいても脈々と生きてきた。

 王侯貴族の系譜の語り部、戦場で兵士を鼓舞する楽師、権力者を揶揄する批評家、道化師、庶民の代弁者、ニュースを伝えるメディア、門付芸人。吟遊詩人は、時には畏怖の対象とされ、時には社会の縁に追いやられてきた。

 近年は、ポピュラー音楽界や消費社会、文化遺産保護運動とのつながりのなかで、芸能の様式や自身のイメージを変え生き延びてきた。本展では、吟遊詩人のパフォーマンスやそれらを成りたたせる物質文化を紹介するとともに、彼ら、彼女たちを育んできた地域の人々の息吹を伝える。