2012年に日本館が「ここに、建築は、可能か」で金獅子賞・パビリオン賞を受賞し話題を集めた「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」。その第16回展が、5月26日~11月25日の会期で開催される。
総合ディレクターをダブリンを拠点とするグラフトン・アーキテクツのイヴォンヌ・ファレル&シェリー・マクナマラが務め、総合テーマに「フリースペース」を掲げる今回。日本館展示では、貝島桃代(アトリエ・ワン、筑波大学、スイス連邦工科大学チューリヒ校)、ロラン・シュトルダー(スイス連邦工科大学チューリッヒ校建築理論教授、建築理論・建築史研究所所長)、井関悠(水戸芸術館現代美術センター学芸員)の3名がキュレーターを務めるキュレーターチームを結成し、「建築の民族誌」と題した展示を展開。国内外の大学やデザインスタジオ、建築家から現代美術作家まで42組の作品を紹介する。
貝島はこれまで、フィールドワークを通じて街中にある建物を観察し、そこにある現代人の暮らしのあり方や都市の現実をドローイングを用いたガイドブックとしてまとめる取組みを行ってきた。本展は、そのプロジェクトの延長線上に当たるもの。この手法に世界中で影響を受けたものや、同時代に世界各地に自然発生した作品、ドローイングを集め、「建築の民族誌」と題し総覧することで、建築と暮らし、建築の役割をはじめとした、社会の未来に関する議論の進化を投げかけるという。