第16回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展がいよいよ開幕。
日本館テーマは「建築の民族誌」

5月26日より、イタリア・ヴェネチアで「第16回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」が開幕する。今回の日本館は、貝島桃代、ロラン・シュトルダー、井関悠がキュレーターを務め、「建築の民族誌」を題材に42組の作品を紹介する。

ドローイング・アーキテクチャー・スタジオによる「A Little Bit of Beijing: 798」のドローイング(2013) © Drawing Architecture Studio

 2012年に日本館が「ここに、建築は、可能か」で金獅子賞・パビリオン賞を受賞し話題を集めた「ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展」。その第16回展が、5月26日~11月25日の会期で開催される。

 総合ディレクターをダブリンを拠点とするグラフトン・アーキテクツのイヴォンヌ・ファレル&シェリー・マクナマラが務め、総合テーマに「フリースペース」を掲げる今回。日本館展示では、貝島桃代(アトリエ・ワン、筑波大学、スイス連邦工科大学チューリヒ校)、ロラン・シュトルダー(スイス連邦工科大学チューリッヒ校建築理論教授、建築理論・建築史研究所所長)、井関悠(水戸芸術館現代美術センター学芸員)の3名がキュレーターを務めるキュレーターチームを結成し、「建築の民族誌」と題した展示を展開。国内外の大学やデザインスタジオ、建築家から現代美術作家まで42組の作品を紹介する。

須藤由希子 W House –Entrance Side 2010 © Yukiko Suto, courtesy of Take Ninagawa, Tokyo

 貝島はこれまで、フィールドワークを通じて街中にある建物を観察し、そこにある現代人の暮らしのあり方や都市の現実をドローイングを用いたガイドブックとしてまとめる取組みを行ってきた。本展は、そのプロジェクトの延長線上に当たるもの。この手法に世界中で影響を受けたものや、同時代に世界各地に自然発生した作品、ドローイングを集め、「建築の民族誌」と題し総覧することで、建築と暮らし、建築の役割をはじめとした、社会の未来に関する議論の進化を投げかけるという。

編集部

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