EXHIBITIONS

角川武蔵野ミュージアムコレクション展 vol.02

髙山辰雄 ―手のひらに花を―

髙山辰雄リトグラフ集源氏物語 1982 個人蔵

牡丹(籠に) 1988 個人蔵

 角川武蔵野ミュージアムで「角川武蔵野ミュージアムコレクション展 vol.02 髙山辰雄 ―手のひらに花を―」が開催されている。

 大分県に生まれた日本画家・髙山辰雄(1912〜2007)は、伝統的な日本画の技法を用いて作品を制作。日展を中心に活躍し、東山魁夷、杉山寧とともに「日展三山」と称され、戦後の日本画壇の最高峰として高い評価を受けている。

 角川武蔵野ミュージアムでは多くの髙山作品を収蔵しており、研究と公開のために昨年から展示を開始。第一弾として開催された「角川武蔵野ミュージアムコレクション展 髙山辰雄 ―15㎝ × 15㎝ の宇宙―」では、髙山の代表作品や『文藝春秋』の表紙絵156枚を展示した。第二弾となる本展では、展示会場が書籍をテーマとした"エディットタウン"のなかにあるという特性を踏まえ、小説『源氏物語』の装幀がもととなったリトグラフや、文芸雑誌『新潮』の表紙絵原画など、書籍に関連する髙山作品を紹介している。

 また、髙山の代表作として知られる《牡丹(籠に)》を展示。執拗に描かれた花びらから実際に手に触れたような質感が伝わってくる作品で、髙山が娘に送った初めてのプレゼントとしても知られている。