EXHIBITIONS
石川順惠、西條茜
BLUM 東京で、東京を拠点とする石川順惠と京都を拠点とする西條茜による2人展が開催される。
本展は、石川の新作シリーズである「月白」を紹介するとともに、西條の同ギャラリーへの所属後初の展覧会となる。
約30年の時代を隔てて登場した両作家は、いずれもその活動を通じて文化的因習やメディウムの従来的な性質についての再考を行ってきた。1980年後半から1990年にかけて、商業主義的社会についての批判性を持った絵画作品を発表するようになった石川は、その後も、静かな反骨精神を湛えながら、非永続性を意味する「Impermanence」というシリーズに取り組んでいる。一度完成させたキャンバスへの加筆によって生み出される同シリーズは、日本的な美術の要素として見られるような入り組んだ複層的な変化を持ったコンポジションに、西洋のモダニストたちが多く用いてきた平面的で、水平・垂直なグリッドを取り入れている。
いっぽう、西條は「Phantom Body」と名付けた作品群によって、クレイを用いた触覚的な彫刻とその場限りのパフォーマンスという異なる分野を見事に融合させてきた。西條の実践は、陶芸という媒体の規範に身体のための空間を導入することで、オブジェは本来手で触れるという行為から切り離されたものである、という前提のもとに成り立つ美術の常識的な考えへの挑戦でもある。
本展は、石川の新作シリーズである「月白」を紹介するとともに、西條の同ギャラリーへの所属後初の展覧会となる。
約30年の時代を隔てて登場した両作家は、いずれもその活動を通じて文化的因習やメディウムの従来的な性質についての再考を行ってきた。1980年後半から1990年にかけて、商業主義的社会についての批判性を持った絵画作品を発表するようになった石川は、その後も、静かな反骨精神を湛えながら、非永続性を意味する「Impermanence」というシリーズに取り組んでいる。一度完成させたキャンバスへの加筆によって生み出される同シリーズは、日本的な美術の要素として見られるような入り組んだ複層的な変化を持ったコンポジションに、西洋のモダニストたちが多く用いてきた平面的で、水平・垂直なグリッドを取り入れている。
いっぽう、西條は「Phantom Body」と名付けた作品群によって、クレイを用いた触覚的な彫刻とその場限りのパフォーマンスという異なる分野を見事に融合させてきた。西條の実践は、陶芸という媒体の規範に身体のための空間を導入することで、オブジェは本来手で触れるという行為から切り離されたものである、という前提のもとに成り立つ美術の常識的な考えへの挑戦でもある。