EXHIBITIONS

土が開いた現代 革新するやきもの

2024.04.27 - 06.30

林康夫 人体 1950 和歌山県立近代美術館蔵

 和歌山県立近代美術館で「土が開いた現代 革新するやきもの」が開催される。

 20世紀後半、第二次世界大戦後の京都を中心に、陶芸によって新たな表現の世界を開拓する作家たちが現れるようになる。彼らはやきものの技術を使いながらも、従来の茶碗や花瓶といった実用のための陶器から独立した美術としての表現を生みだすことに取り組み始めた。

 それまでになかった作品のあり方として、前衛陶芸や現代陶芸、あるいはクレイ・ワークといった言葉とともに試みられてきた表現の世界は、その始まりから70年以上を経て、ひとつの分野を形成。とくに林康夫、八木一夫、山田光、鈴木治らは、家業としての製陶にかかわるいっぽうで、独自の表現の可能性を求めて模索を続け、類例のない表現を生みだした。

 本展は、前衛陶芸を最初に試みた四耕会から、革新的な作品を生みだす作家たちのよりどころとなった走泥社、そして世代を継いで創作を続けてきた作家たちの作品約100点を展示。やきものが開拓してきた新しい表現の展開を歴史を追って紹介する。