EXHIBITIONS

北斎「冨嶽三十六景」Digital Remix

2024.04.19 - 05.21

凱風快晴 冨嶽三十六景

 MOA美術館で「北斎『冨嶽三十六景』Digital Remix」が開催されている。

 葛飾北斎の「冨嶽三十六景」は、富士の威容を示すほか、富士周辺の様々な場所で、生き生きと働く庶民の姿を描いた風景版画シリーズの金字塔だ。その独創的な構図は、クロード・モネやポール・セザンヌの作品にインスピレーションをもたらすなど、世界的な影響の大きさが知られている。とくに「神奈川沖波裏」は「the Great Wave」として欧米で知られ、フランスの作曲家 クロード・ドビュッシーが作曲した管弦楽曲『海』初版の表紙デザインには、波の部分が用いられている。

 本展では、「神奈川沖波裏」や「赤富士」として知られる「凱風快晴」を高精細デジタル画像として撮影し、同館スタッフの技術により、オリジナル・フィルム・プロジェクションとしてリミックス(再構成)。そのほか、作品が描かれた地点の現在の風景を撮影・展示し、再構成による新たな魅力を発信する。刊行から190年を経過してもなお色褪せない「富嶽三十六景」の魅力を、デジタル・リミックスによる新感覚で楽しんでほしい。