天王洲運河沿いの寺田倉庫T33ビル壁面で、世界的に活躍する現代アーティスト・山口歴による大型壁画が公開された。
同作は、2019年から「アートの島=天王洲アイル」を舞台に開催されている「TENNOZ ART FESTIVAL」の一環として行われたもの。運河沿い建築物や駅通路への大型壁面アートの制作や、公開空地への立体アートの設置を行う同フェスでは、これまで22の壁画や立体のパブリック・アートが公開されている。
山口は、学生時代より「東京」という街が持つエネルギー、ストリートカルチャーに強く影響を受け、東京での壁画制作はいつか挑戦したいと考えていたという。今回は約1ヶ月の期間、天王洲の街の人や風、音などを感じながら同作を公開制作し、その作品制作において根幹としているテーマのひとつである「越境性」を表している。
高さ約40メートル、横幅約22メートルにおよぶ同作は、葛飾北斎の「龍図」を構図のモチーフに、黒・白・青・水色の4色によって描かれたブラシストロークが壁面を縦横無尽に飛翔するような感覚が生まれる。天王洲の玄関口でもある「ふれあい橋」横からも眺めると、「水辺とアートの街、天王洲」の新たな魅力がいっそう高まるだろう。
同作について山口は、「天王洲に訪れ、私の作品をご覧になった方々が、枠に囚われない自由な気分を一瞬でも感じ取ってくれたら嬉しい」と期待を寄せている。また、天王洲エリア内のアート作品を近距離モビリティでめぐる多言語対応のガイドツアーも定期的に開催されており、今回の作品を含めて同エリア内のアートを楽しんでみてはいかがだろうか。