EXHIBITIONS

桑原正彦 / ナト・シルビラッゼ

小山登美夫ギャラリー 天王洲
2024.04.06 - 04.27

House in Abanotubani 2020 Gouache on Cardboard 35.0 x 25.0 cm © Nato Sirbiladze

菓子箱 candy box 2009 acrylic on canvas 91.0 x 116.7 cm © Masahiko Kuwahara

 小山登美夫ギャラリー 天王洲で、「温泉大作戦」のプロジェクトの一環として、ナト・シルビラッゼと桑原正彦による二人展が開催されている。

 ナト・シルビラッゼは1955年ジョージア、トビリシ生まれ。学校卒業後、教師になるため教育専門機関で学び、国立図書館や経営研究所、学校の教師として働いた。美術は専門に学んでおらず、31歳の時はじめて絵を描き始める。彼女の作品は紙に描かれ、そのうちの数百点はガッシュと水彩で描かれている。シルビラッゼはどの芸術運動やグループにも属しておらず、またその作品はほとんど地域の芸術的文脈で言及されることがなく、独自のクリエイティブな軌跡を描き続けてきた。最近まで彼女の公共スペースでの展示は、国内外でのわずかな機会に限られていた。

 桑原正彦(1959〜2021)は1990年代の後半から一貫して、いま住んでいる環境に対する人間の欲望による変化に着目して制作をしてきた。進化、効率、大量生産、加工、洗浄、商品価値を求めるのに伴う破壊、汚染などによる変化を、子供の頃からの思い出とともに、動物や風景を通して作品に表した。その絶望的でもあり、楽園のようでもある世界が桑原作品の大きな魅力になっている。