EXHIBITIONS
松下誠子「中庭の束縛」展
フジギャラリー新宿で、松下誠子のドローイングを一挙に紹介する「中庭の束縛」展が開催される。
松下は、1990年代のセメントの球体と鉄をもちいたインスタレーションに始まり、クチバシのオブジェやパラフィン紙のドレス、羽根やワックス、そしてフェルト生地を使った立体作品、パフォーマンス、アニメーション、写真など、しなやかに素材や表現方法を変えながら日本はもちろん、世界各国で作品を発表してきた。ありふれた異常に満ちた社会とそのなかで生きる人間、とりわけ女性の脆くて傷つきやすくも強靭な内面を豊かに表現している。
長い制作活動の源流とも言えるドローイングの数々は、人間の深部を洞察してきたアーティストが抱く人のイメージを繊細かつ大胆に描き出した作品ばかりだ。本展について松下は以下のステートメントを発表している。
「ようやく足を止めることが出来たので、自分のなかに中庭をつくってみる。外への出口がない中庭だが、時間の振幅は詰められる。ずうっと以前に描いたドローイングと向き合うためであって、たとえそれが主観的な愛着が強く作用するとしても、忘れてしまったプロセスを思い起こし、新たな物語を発見するのにはちょうどいい。テーマがあわなくて展示をしなかったものもあるが、ただ描くためだけに描いたものがある。その中庭で、自分を自分で包んでみた時にでる余剰のようなものに出会えるだろうか。出会えたら中庭の束縛を破って外への出口をつくろうと思う」。
松下は、1990年代のセメントの球体と鉄をもちいたインスタレーションに始まり、クチバシのオブジェやパラフィン紙のドレス、羽根やワックス、そしてフェルト生地を使った立体作品、パフォーマンス、アニメーション、写真など、しなやかに素材や表現方法を変えながら日本はもちろん、世界各国で作品を発表してきた。ありふれた異常に満ちた社会とそのなかで生きる人間、とりわけ女性の脆くて傷つきやすくも強靭な内面を豊かに表現している。
長い制作活動の源流とも言えるドローイングの数々は、人間の深部を洞察してきたアーティストが抱く人のイメージを繊細かつ大胆に描き出した作品ばかりだ。本展について松下は以下のステートメントを発表している。
「ようやく足を止めることが出来たので、自分のなかに中庭をつくってみる。外への出口がない中庭だが、時間の振幅は詰められる。ずうっと以前に描いたドローイングと向き合うためであって、たとえそれが主観的な愛着が強く作用するとしても、忘れてしまったプロセスを思い起こし、新たな物語を発見するのにはちょうどいい。テーマがあわなくて展示をしなかったものもあるが、ただ描くためだけに描いたものがある。その中庭で、自分を自分で包んでみた時にでる余剰のようなものに出会えるだろうか。出会えたら中庭の束縛を破って外への出口をつくろうと思う」。

