EXHIBITIONS

ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

三部正博 アンナ・ビヤルゲルが描いた静物画〈milk〉2022

 東京オペラシティ アートギャラリーで「ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家」が開催されている。

 本展はガラス作家・山野の作品を収録したアートブックを制作する「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」というプロジェクトをきっかけに開催された。山野が声をかけた18人の画家が、それぞれの画家が自身が描きたいと思うガラス作品を言葉で表現。その言葉に応答するかたちで山野がガラス作品を制作し、そのガラス作品を画家が描くというものだ。さらに、できあがった絵画と山野のガラス作品を写真家・三部正博が撮影、さらにデザイナー・須山悠里のデザインによりアートブックがつくられている。本展では、この制作プロジェクトのなかで生まれたガラス作品、絵画作品、そして山野の言葉などによって構成されるものだ。

 本展では、このプロジェクトで生まれた、宙吹きならではのわずかな歪みが美しいクリアーガラスの器、画家たちによる親密な絵画、浮遊感をたたえたモノクロームの写真、山野のアトリエでガラスが生まれる瞬間を撮影した映像作品が並ぶ。また、所々に配されたガラスや画家にまつわる言葉は、山野がこのプロジェクトを振り返ってエッセイにまとめたときに紡いだもの。これは言葉によるコミュニケーションを介在したプロジェクトの痕跡であり、ガラスと絵画と写真にまつわるストーリー思考する一助となるだろう。

 参加アーティストは、アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、イェンス・フェンゲ、カール・ハムウド、CM・ルンドベリ、ニクラス・ホルムグレン、マリーア・ノルディン、レベッカ・トレンス、石田淳一、伊庭靖子、小笠原美環、木村彩子、クサナギシンペイ、小林且典、田幡浩一、八重樫ゆい。