EXHIBITIONS

川内理香子「Even the pigments in paints were once stones」

2023.11.25 - 2024.01.24

《making》2023, stone, 110 x 165 x 20 mm photo by Shintaro Yamanaka (Qsyum!)

 WAITINGROOMで、川内理香子の個展「Even the pigments in paints were once stones」が開催されている。

 川内は1990年東京都生まれ。2017年多摩美術大学大学院美術研究科 絵画専攻油画研究領域修了し、現在は東京を拠点に活動している。「身体」という根源的なテーマを軸に、ペインティングやドローイング、針金やネオン管など、多岐にわたる素材を用いて作品制作を行っている。近年は、消化や排泄、料理をテーマとした各地の神話のなかに象徴的に登場する、動物や人体の一部などのモチーフを、色彩豊かに描いたペインティング作品でも知られる。


 本展では、大理石をはじめとする石を素材にした新シリーズを新作のペインティング作品とともに発表。川内の作品の特徴は、作家自身の身体をもって表現される「線」と言える。油絵の具によるペインティング作品も、輪郭で囲まれた対象の内側を塗り分けるのではなく、何層にも厚塗りした色彩の面を、引っ掻くような素早い筆致で線描するという手法で描かれている。石の彫刻の新シリーズは、ペインティング作品の手法を引き継ぎ、特徴的な線描によるドローイングを、大理石のもつ天然の色彩や模様の上に彫り込んでいる。新たな素材と出会った川内理香子の新シリーズを鑑賞できる展覧会となっている。