EXHIBITIONS

シモン・アンタイ 「Folding」

(展示風景より、左から)シモン・アンタイ TABULA 1980、SANS TITRE #503, PARIS 1984 
Courtesy Fondation Louis Vuitton, Paris Photo credits : © Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

 エスパス ルイ・ヴィトン 大阪で、シモン・アンタイによる個展 「Folding」が開催されている。

 シモン・アンタイ(1922〜2008)は、母国ハンガリーのブダペスト美術学校の学生であった1948年に、政府から助成を受けフランス・パリで学んだ。イタリアでの滞在を経て、翌年フランスに到着したアンタイは、シエナ派やフィレンツェ派の絵画、より抽象度の高い表現について理解を深める。シュルレアリスムの興隆も訪れ、アンタイの鮮烈で自由な発想を解き放ち、コラージュの拡大解釈につながった。アンタイは、動物の骨やそのほか様々な素材を絵画に組み合わせ、作品のなかで不穏な空気の漂うレリーフをつくり出し、苦悩に満ちた図像を効果的に表現してきた。

 今回、「Hors - les - murs(壁を越えて)」プログラムの一環として企画された本展は、パリのフォンダシオン ルイ・ヴィトンにて2022年に開催された 「シモン・アンタイ生誕100周年記念展」と、2019年の 「シャルロット・ペリアンの新たな世界」展における大作《Tabula》の展示に続くものだ。会場では、1960年代初頭の作品から、アンタイが自ら公の場から姿を消した1980年代のものまで、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションより、多彩な作品シリーズを紹介している。