クロヤギシロヤギ通信　ミヤケマイ、安齊賢太、上出惠悟、澤谷由子、横山拓也

　MtK Contemporary Artで、「クロヤギシロヤギ通信　ミヤケマイ、安齊賢太、上出惠悟、澤谷由子、横山拓也」が開催されている。

「シロヤギクロヤギ通信」は、2017年に1年間にわたって連載された誌上プロジェクトで、ミヤケが1月から毎月ごとに作家をひとり招待して、協働で床の間のしつらえをつくるというものだった。今回は実際に作品を集めて、ギャラリーに設え、様々な表現の混交を楽しむという試みだ。

　展覧会タイトルは童謡 「やぎさんゆうびん」に擬え、まずはミヤケが敬愛する作家との間で、往復書簡のようなやりとりがある。例えば、安齊賢太は、土の結晶化が始まり焼き締まる直前の生地の土に漆を接着剤として使い、焼き付けと磨きで仕上げる作品で知られるが、今回はミヤケが表面を荒らし、安齋が漆を施し焼成した後にミヤケが磨き上げる。

　本展覧会は、作家の往還と組み合わせの妙を観客として楽しむという以上に、過去に様々な作り手が発見し、試み、繰り返し、更新してきた延長にあるものとすれば、それら手触りのあるモノの表現について再考する機会となっている。