中村直人　モニュメンタル／オリエンタル

　目黒区美術館で「中村直人　モニュメンタル／オリエンタル」展が開催される。

　中村（1905〜81）は長野県小県郡神川村（現・上田市）生まれ。少年期に山本鼎の勧めによって彫刻家となり、次第に院展で認められるようになる。52年にパリへ移住後、ガッシュの作品で評価されるようになった。帰国後は二科会の会員となり、彫刻、絵画、版画など数多くの作品を手がけ、哀愁漂う女性像や裸婦像によってそのイメージを定着させた。 晩年は東京・目黒区にアトリエを構えて作品を制作し続け、二科展の内閣総理大臣賞を受賞した。

　本展では、中村の作品・資料をはじめ、中村に影響を与えた作家たちの作品もあわせて展示する。会場では中村の生涯をなぞるように、彫刻家としての黎明期、従軍した戦時期、フランス時代、帰国後の4つの時期に分けて構成されている。戦時中に制作された大型の記念碑的な彫刻作品や、ヨーロッパで人気を得たオリエンタリズムあふれる絵画を通してその生涯を紹介する。