1905年、小県郡神川村(現・上田市神川)に生まれた中村直人(なかむらなおんど)。戦時期の日本で着実に彫刻家としての地位を築いたものの、一転して渡仏。パリで画家として名を馳せることとなる。
「転身した芸術家」と評されることも多い中村だが、代名詞ともなった揉み紙のガッシュ作品は、中村が立体への興味を尽きずに持ち続けていたことも示している。
「コレクション展 中村直人ー異才の表現ー」は、中村が農民美術の講師であった初期の木彫作品から、通信員として従軍期に制作された彫刻、パリ時代の平面作品まで、同じ作家ながらも多彩にジャンルを変転する中村の作品群を紹介する。