寄生虫を専門とする博物館として知られる「目黒寄生虫館」が、新型コロナウイルスによる臨時休館で大幅な減収に陥り、500万円の寄付を募ったところ、わずか5日でその目標を達成した。
同館は1953年に医学博士・亀谷了(1909〜2002)が私財を投じて創設した独立採算制の民間の博物館。65年以上にわたり、寄生虫の研究や展示を行っており、2013年には公益財団法人として認定された。
目黒寄生虫館では決まった入館料をとらず、その代わりに展示室1階の募金箱で寄付を募るという方式を採用しているが、そこで問題となったのが新型コロナウイルスの感染拡大だった。
同館は3月から約3ヶ月にわたり臨時休館。再開後も来館者の減少により、寄付金やミュージアムショップの売上が大幅に減収する事態となった。館ではその減収額を650万円と試算し、500万円を目標とする寄付を呼びかけ。開始からわずか5日目の8月19日9時時点で、1270名から595万2144円という目標金額を大きく上回る金額を達成した。
三密回避が呼びかけられるなか、入館者数を大きく伸ばすことが難しい現在。同館では引き続き、寄付を呼びかけている。
なお新型コロナをめぐっては、国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」や原爆の図丸木美術館などがそれぞれ運営資金の寄付を募る動きが見られた。
8月21日追記:寄付金額は21日9時で818万4448円となった。